トラネキサム酸(とらねきさむさん)
Tranexamic acid

作用と特徴

人工的に合成されたアミノ酸の一種で、出血やアレルギーに関係するプラスミン(線溶酵素)の働きを抑えることで出血を止め、アレルギー反応や炎症反応をやわらげます。
各種の出血と、湿疹やじん麻疹、扁桃炎、咽頭炎、口内炎などに伴う腫れや痛みの症状に用いられ、市販薬では総合感冒薬(かぜ薬)や口内炎治療薬などに配合されています。

注意事項

以前に薬を使用してかゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある人、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓性の病気や血栓症の恐れがある人、腎不全の人、他に薬を使っている人、妊娠または授乳中の人は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。
主な副作用として、食欲不振、吐き気、嘔吐、胸やけ、眠気、かゆみ、発疹などが報告されています。こうした症状に気づいたら、医師または薬剤師に相談してください。

ちょっと一息

かみ砕いてのむ「チュアブル錠」

チュアブル錠とは、かみ砕いて唾液で溶かして服用する錠剤で、名称のチュアブル(chewable)は「かむことができる」という意味です。
チュアブル錠のメリットは、主に3つ挙げられます。1つ目は、水なしでそのまま服用できること。外出先での服用や、腎臓病などで水分制限がある人に大変便利です。2つ目は、有効成分が多くて錠剤のサイズが大きくなってしまう薬に応用できること。3つ目は、錠剤をのみ込むのが苦手な小児や高齢者が、かみ砕くことでのみ込みやすくなること。
一見、よいことだらけのようですが、かみ砕かずにそのままのみ込んでしまうと吸収が遅れたり、薬の効果が十分に発揮されなかったりすることもあるため注意が必要です。
チュアブル錠と似ているものに、口の中に入れるとお菓子のラムネのように唾液ですぐに溶ける「口腔内崩壊錠(OD錠)」があります。やはり水なしでのめる錠剤で、かむ必要がないので嚥下機能が弱っている人にも向き、チュアブル錠とは違って普通の錠剤のようにそのまま水でのんでも問題ありません。
このようにひと口に錠剤といっても服用方法は様々です。薬の説明書をよく読んで、正しく使用するようにしましょう。
監修プロフィール
鈴木 龍一郎先生
城西大学薬学部 准教授 すずき・りゅういちろう鈴木 龍一郎先生

1999年明治薬科大学薬学部卒業。05年同大学大学院薬学研究科修了(博士(薬学))。 独立行政法人理化学研究所長田抗生物質研究室協力研究員、 大正製薬株式会社セルフメディケーション開発研究所主任研究員補などを経て、 17年より現職。日本薬学会、日本生薬学会(代議員)、日本臨床化学会(評議員)所属。

<分子構造モデル・構造式制作 協力>
城西大学大学院薬学研究科博士後期課程1年 佐野愛子さん
城西大学大学院薬学研究科博士前期課程2年 見沢沙瑛さん

※この内容は成分の一般的な特徴について記したものです。
製品の効能とは異なりますので、詳しくは製品の解説をご確認ください。