麦門冬湯(ばくもんどうとう)
Bakumondo-to

作用と特徴

麦門冬湯は咳や痰の症状に用いられる漢方薬で、バクモンドウ(麦門冬)、ハンゲ(半夏)、ニンジン(人参)、コウベイ(粳米)、タイソウ(大棗)、カンゾウ(甘草) の6種類の生薬を組み合わせたものです。
主成分であるバクモンドウには鎮咳去痰作用や皮膚および粘膜を潤す止渇(しかつ)作用があり、のどを潤して痰を出しやすくし、咳を鎮める働きをします。比較的体力がなく、のどの乾燥感のある人のから咳、または切れにくい粘りのある痰を伴う咳のほか、ドライマウスやしわがれ声の改善などにも処方されます。

注意事項

生後3カ月未満の乳児には使用できません。水様性の痰の多い人、高齢者、高血圧、心臓病、腎臓病などの持病のある人、市販薬や漢方薬も含め使用中の薬がある人は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。
重い副作用はまずありませんが、配合生薬のカンゾウの大量服用により、浮腫(むくみ)や血圧上昇を生じることがあります。また、間質性肺炎と肝機能障害が報告されています。
咳や息切れが続く場合や、呼吸困難、発熱、倦怠感、皮膚や白目が黄色くなるといった症状が現れた場合は使用を中止し、医師を受診してください。

ちょっと一息

潤って咳を鎮める麦門冬湯

麦門冬湯の中心的な生薬であるバクモンドウは、庭や道端でよく見られるユリ科植物「ジャノヒゲ(別名リュウノヒゲ)」の根の膨らんだ部分を乾燥させたものです。主要成分としてステロイド配糖体、ホモイソフラボノイド等を含み、成分の中には血糖降下作用や感染防止作用が報告されているものもあります。
漢方では古くから要薬の1つとされ、止渇(潤いを与えること)、強壮、鎮咳、去痰、鎮静などの目的で用いられてきました。麦門冬湯はこのバクモンドウと、同じく鎮咳・去痰作用を持つハンゲ、強壮作用や止渇作用を持つニンジンやコウベイ、タイソウ、緩和作用のあるカンゾウが一緒に働くことで、咳症状の改善によりよい効果を発揮します。
体に元気をつける作用もあるので、虚弱者や高齢者、病中・病後で体力が落ちている方の咳にも適しています。

ジャノヒゲ

麦門冬

監修プロフィール
鈴木 龍一郎先生
城西大学薬学部 准教授 すずき・りゅういちろう鈴木 龍一郎先生

1999年明治薬科大学薬学部卒業。05年同大学大学院薬学研究科修了(博士(薬学))。 独立行政法人理化学研究所長田抗生物質研究室協力研究員、 大正製薬株式会社セルフメディケーション開発研究所主任研究員補などを経て、 17年より現職。日本薬学会、日本生薬学会(代議員)、日本臨床化学会(評議員)所属。

<分子構造モデル・構造式制作 協力>
城西大学大学院薬学研究科博士後期課程1年 佐野愛子さん
城西大学大学院薬学研究科博士前期課程2年 見沢沙瑛さん

※この内容は成分の一般的な特徴について記したものです。
製品の効能とは異なりますので、詳しくは製品の解説をご確認ください。