タンニン酸ベルベリン(たんにんさんべるべりん)
Berberine tannate

作用と特徴

止瀉(ししゃ)薬(下痢止め)に含まれる腸内殺菌成分です。腸内でベルべリンとタンニン酸に分解され、ベルベリンは有害細菌(赤痢菌、チフス菌、ブドウ球菌、病原性大腸菌など)に対して殺菌作用を示し、タンニン酸は収れん作用(組織を引き締める作用)によって腸の粘膜の炎症をとり、腸内の腐敗や異常発酵を抑えて下痢を改善します。
胃腸などの粘膜への刺激が少ないため小児の下痢にも使用されています。

注意事項

出血性大腸炎や細菌性の下痢に対しては、症状の悪化や治療期間の延長を招く恐れがあるため使用できません。激しい下痢の場合は脱水症状に注意し、速やかに医療機関を受診してください。
副作用はほとんど見られませんが、むかつき、便秘などが続く場合は、医師または薬剤師に相談してください。

ちょっと一息

ベルベリンとキハダ

ベルベリンは植物由来の成分で、キンポウゲ科のオウレンや、ミカン科のキハダから抽出されたものです。いずれも生薬としても用いられ、オウレンの根茎を乾燥させたオウレン(黄連)と、キハダの樹皮を乾燥させたオウバク(黄柏)は、健胃整腸薬の「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」や「加味解毒湯(かみげどくとう)」などに配合されています。
オウバクは消炎作用も持つことから、打ち身やねんざなどに使うパップ剤に使用されることもあります。キハダは日本人にとっては馴染みの深い植物で、長らく民間薬として使用されてきた歴史を持ちます。健胃整腸薬として知られる奈良の「陀羅尼助(だらにすけ)」も、キハダの樹皮から製造したオウバクエキスが主原料です。また、キハダの内樹皮は鮮やかな黄色で、草木染の材料として古くから利用されてきました。その高い防虫効果により、経文や「正倉院紙」の黄紙や黄染紙はキハダで染められていたそうです。

キハダ

監修プロフィール
鈴木 龍一郎先生
城西大学薬学部 准教授 すずき・りゅういちろう鈴木 龍一郎先生

1999年明治薬科大学薬学部卒業。05年同大学大学院薬学研究科修了(博士(薬学))。 独立行政法人理化学研究所長田抗生物質研究室協力研究員、 大正製薬株式会社セルフメディケーション開発研究所主任研究員補などを経て、 17年より現職。日本薬学会、日本生薬学会(代議員)、日本臨床化学会(評議員)所属。

<分子構造モデル・構造式制作 協力>
城西大学大学院薬学研究科博士後期課程1年 佐野愛子さん
城西大学大学院薬学研究科博士前期課程2年 見沢沙瑛さん

※この内容は成分の一般的な特徴について記したものです。
製品の効能とは異なりますので、詳しくは製品の解説をご確認ください。