ロートエキス(ろーとえきす)
Scopolia extract

作用と特徴

副交感神経の働きを抑える作用をもつ抗コリン成分です。内臓の平滑筋のけいれんを抑えたり、胃液の分泌を抑えたりする作用があり、主に胃腸薬や整腸薬に配合されています。
胃や腸は副交感神経が優位になると働きが活発になり、副交感神経の働きはアセチルコリンという神経伝達物質により強まります。ロートエキスは、アセチルコリンをブロックして副交感神経の働きを弱め、胃腸の異常な運動を抑えて腹痛や下痢の症状をやわらげます。

注意事項

使用により目のかすみや異常なまぶしさなどが起こることがあるので、服用後の車の運転や危険を伴う機械の作業などは避けてください。
この成分の含まれた薬を使用してアレルギー症状を起こしたことがある人は使用しないでください。排尿困難の症状のある人、うっ血性心不全、不整脈、緑内障、前立腺肥大、麻痺性イレウス、潰瘍性大腸炎、甲状腺機能亢進症の人、高温環境にある人、妊娠中または授乳中の人は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。
副作用として、口の渇き、便秘、排尿障害、吐き気、頭痛、頭重感、めまい、頻脈、発疹、顔のほてりなどが報告されています。こうした症状に気づいたら、医師または薬剤師に相談してください。

ちょっと一息

誤食に注意!原料のハシリドコロ

ロートエキスは、ナス科植物の「ハシリドコロ」の根茎や根を乾燥させた生薬「ロートコン」を原料としています。
ロートコンにはアルカロイド類が含まれ、鎮痛、鎮痙などの作用があります。しかし、毒性が極めて強いため劇薬に指定され、医療用にしか用いられません。アルカロイド類は根茎や根だけでなく全草に含まれており、食すと副交感神経を麻痺させ、めまいや幻覚、異常興奮を引き起こします。
ハシリドコロという名前は、こうした症状により苦しんで走り回ることからきているそうです。ハシリドコロは本州から九州に分布し、春になると芽を出して、紫色の可憐な花を咲かせます。新芽は一見したところフキノトウと似ていて、間違って食べられることもあるようなので気をつけましょう。

ハシリドコロ

監修プロフィール
鈴木 龍一郎先生
城西大学薬学部 准教授 すずき・りゅういちろう鈴木 龍一郎先生

1999年明治薬科大学薬学部卒業。05年同大学大学院薬学研究科修了(博士(薬学))。 独立行政法人理化学研究所長田抗生物質研究室協力研究員、 大正製薬株式会社セルフメディケーション開発研究所主任研究員補などを経て、 17年より現職。日本薬学会、日本生薬学会(代議員)、日本臨床化学会(評議員)所属。

<分子構造モデル・構造式制作 協力>
城西大学大学院薬学研究科博士後期課程1年 佐野愛子さん
城西大学大学院薬学研究科博士前期課程2年 見沢沙瑛さん

※この内容は成分の一般的な特徴について記したものです。
製品の効能とは異なりますので、詳しくは製品の解説をご確認ください。