酸化マグネシウム(さんかまぐねしうむ)
Magnesium oxide

作用と特徴

非刺激性成分の塩類下剤と呼ばれるものの1つで、便秘薬に配合されています。酸化マグネシウムには腸内で浸透圧によって水分を引き寄せる働きがあり、便が柔らかく膨張することで腸がやさしく刺激され、自然に近い排便を促します。
刺激性成分のような腹痛を起こしにくく、耐性を生じにくい(くせになりにくい)のが特徴で、腸の過緊張によって起こるけいれん性便秘の人にも向きます。5歳以上から使用可能です。

注意事項

他の便秘薬との併用は避けてください。腎機能の低下している人は高マグネシウム血症を起こすことがあるため、使用できません。テトラサイクリン系抗菌薬、ニューキノロン系抗菌薬、ビスホスホン酸塩系骨代謝改善薬、ジギタリス製剤など多くの薬剤の吸収に影響するため、薬を使用している人は使用前に医師または薬剤師に相談してください。
妊娠中の人、高齢者、心臓病、腎臓病の人、病気治療中の人は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。使用により激しい腹痛、吐き気、嘔吐などが起こった場合は副作用の可能性があるので、使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
長期に服用して、吐き気、嘔吐、強い眠気、口の渇き、血圧低下、徐脈、立ちくらみ、力が入らない、意識がぼんやりするなどいつもと違う症状が現れた場合は、高マグネシウム血症の疑いがあるため、使用を中止し、直ちに医師を受診してください。

ちょっと一息

酸化マグネシウムの200年の歴史

長い間、日本では便秘薬というと酸化マグネシウムが処方されてきました。酸化マグネシウムは1823年にドイツ人医師シーボルトがオランダから日本に持ち込んだ薬の1つで、当時の薬品目録に「麻倶涅矢亜(マグネシア)」という記載があります。
その後、弟子の高良斎(こうりょうさい)がシーボルトの著述を和訳してまとめた「薬品応手録」により、その使用法が各地の医師に広められたといわれます。そしておよそ60年後の1886年には、医薬品の公的な規格基準書である「日本薬局方」に収載されました。
以来、100年以上にわたって使用され、現在でも酸化マグネシウムはその安全性や経済性から、医療機関において軽症~中等度の慢性便秘の第一選択薬として用いられています。
監修プロフィール
鈴木 龍一郎先生
城西大学薬学部 准教授 すずき・りゅういちろう鈴木 龍一郎先生

1999年明治薬科大学薬学部卒業。05年同大学大学院薬学研究科修了(博士(薬学))。 独立行政法人理化学研究所長田抗生物質研究室協力研究員、 大正製薬株式会社セルフメディケーション開発研究所主任研究員補などを経て、 17年より現職。日本薬学会、日本生薬学会(代議員)、日本臨床化学会(評議員)所属。

<分子構造モデル・構造式制作 協力>
城西大学大学院薬学研究科博士後期課程1年 佐野愛子さん
城西大学大学院薬学研究科博士前期課程2年 見沢沙瑛さん

※この内容は成分の一般的な特徴について記したものです。
製品の効能とは異なりますので、詳しくは製品の解説をご確認ください。