ミノキシジル(みのきしじる)
Minoxidil

作用と特徴

発毛剤の主成分で、壮年性脱毛症(AGA)における発毛、育毛および脱毛(抜け毛)の進行を予防します。
髪は成長したあと自然に抜け、同じ毛穴から新しい髪が生まれます。この繰り返しを「ヘアサイクル」といい、壮年性脱毛症はヘアサイクルの乱れによって生じます。ミノキシジルは、毛根の深部にあって毛乳頭と毛母細胞を包んでいる「毛包」に直接作用し、細胞の増殖やタンパク質の合成を促進することによってヘアサイクルを正常化し、発毛、育毛、抜け毛の進行予防に効果を発揮します。
ミノキシジル含有の発毛剤には、配合量が1%のものと5%のものとがあり、1%の製剤の一部に女性が使用可能なものがあります。また、安全性上、特に注意を要する「第一類医薬品」に指定され、購入に当たっては循環器系の疾患の有無などの情報提供が必要です。

注意事項

ミノキシジルを使用してアレルギー症状を起こしたことがある人、20歳未満の人、壮年性脱毛症以外の脱毛症の人、急激な脱毛や髪が斑状に抜けている人は使用できません。
女性は配合量1%の女性用製剤のみ使用できますが、女性の場合は壮年性脱毛症以外の脱毛症の人が多いため、使用前に必ず壮年性脱毛症かどうかの確認が必要です。また、妊娠中または妊娠していると思われる人、授乳中の人は使用できません。
頭皮以外の部位や、傷・湿疹・炎症(発赤)などがある頭皮には使用しないでください。内服はしないでください。他の育毛剤、外用薬(軟膏、液剤など)との併用は避けてください。医薬品や化粧品を使用してアレルギー症状を起こしたことがある人、高血圧・低血圧の人、心臓・腎臓に障害がある人、むくみのある人、家族・兄弟姉妹に壮年性脱毛症の人がいない人、65歳以上の高齢者、甲状腺機能障害(甲状腺機能低下症、同亢進症)の診断を受けた人は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。
使用により発疹、発赤、かぶれ、フケ、使用部位の熱感、頭痛、気が遠くなる、めまい、胸の痛み、心拍数の増加、原因の分からない急激な体重増加、手足のむくみなどの症状が現れた場合は、副作用の可能性があるので、使用を中止して医師または薬剤師に相談してください。
ミノキシジル5%配合の製品は6カ月以上、ミノキシジル1%配合の製品は、男性は1年、女性は6カ月使用して改善が認められない場合、また、使用開始後6カ月以内でも脱毛の悪化、頭皮以外の脱毛等が見られた場合は使用を中止して医師または薬剤師に相談してください。

ちょっと一息

ミノキシジルの歩み

ミノキシジルは1960年代に米国の製薬会社によって、高血圧患者向けの血圧降下剤として開発されました。しかし臨床実験中に多毛症の発現が報告されたため、脱毛症の治療への転用がなされ、1980年代に外用薬での販売が始まりました。
日本では男性の壮年性脱毛症に向けた一般用医薬品(市販薬)として研究開発が行われ、ミノキシジルを1%含む発毛剤が販売されたのが、1999年のことです。その後、2005年には女性用の製品も発売され、2009年にはミノキシジルを5%配合した製品が発売されました。
医療用医薬品として使用実績のない成分が一般用医薬品として販売されているものを「ダイレクトOTC医薬品」と呼びますが、ミノキシジルは、この第1号です。
監修プロフィール
鈴木 龍一郎先生
城西大学薬学部 准教授 すずき・りゅういちろう鈴木 龍一郎先生

1999年明治薬科大学薬学部卒業。05年同大学大学院薬学研究科修了(博士(薬学))。 独立行政法人理化学研究所長田抗生物質研究室協力研究員、 大正製薬株式会社セルフメディケーション開発研究所主任研究員補などを経て、 17年より現職。日本薬学会、日本生薬学会(代議員)、日本臨床化学会(評議員)所属。

<分子構造モデル・構造式制作 協力>
城西大学大学院薬学研究科博士後期課程1年 佐野愛子さん
城西大学大学院薬学研究科博士前期課程2年 見沢沙瑛さん

※この内容は成分の一般的な特徴について記したものです。
製品の効能とは異なりますので、詳しくは製品の解説をご確認ください。