アンブロキソール塩酸塩(あんぶろきそーるえんさんえん)
Ambroxol hydrochloride

作用と特徴

痰を出しやすくする去痰成分です。肺粘液の産生を促進して気道を覆う粘液の“すべり”をよくし、痰の粘液を増やして痰の粘りを低下させ、さらに線毛運動を活発にすることにより、痰の排出をスムーズにすると考えられています。
感冒薬(かぜ薬)や鎮咳去痰薬などに配合されるほか、急性気管支炎、気管支ぜんそく、慢性気管支炎、肺結核、塵肺症、手術後の去痰および慢性副鼻腔炎の排膿に用いられます。

注意事項

薬を使用してアレルギー症状を起こしたことがある人、妊娠中または授乳中の人、他に薬を使用している人、高齢者は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。
主な副作用として、食欲不振、胃部不快感、吐き気、発疹などが報告されています。このような症状に気づいた時は、医師または薬剤師に相談してください。

ちょっと一息

痰の役割

健康な時も体の中で痰は常につくられていますが、通常は分泌量も少ないため、知らない間に胃の方へ流れていきます。しかし、気道にウイルスや細菌、ホコリなど異物が入り込むと量が増え、それらと絡まって粘り気を増して痰となって吐き出されます。
痰と聞くと汚いイメージがありますが、痰は一種の免疫反応であり、私たちは痰をつくることで気管支や肺の健康を守っているのです。また、痰の中にはウイルスや細菌を抑え込むための抗体も含まれ、病気になるのを防いでいます。そのため痰はできるだけ吐き出した方がよいのですが、万一飲み込んでしまって胃に痰が侵⼊しても、ほとんどのウイルスや細菌は胃酸によって死滅するので、あまり心配する必要はありません。
ただし、病気などで痰をうまく吐き出せない状態になると、呼吸が困難になったり、肺炎を起こしやすくなったりするなど問題が出てきます。また、無理に痰を切ろうとして強く咳払いをすると、逆にのどの粘膜を傷めてしまうことになるので注意が必要です。
監修プロフィール
鈴木 龍一郎先生
城西大学薬学部 准教授 すずき・りゅういちろう鈴木 龍一郎先生

1999年明治薬科大学薬学部卒業。05年同大学大学院薬学研究科修了(博士(薬学))。 独立行政法人理化学研究所長田抗生物質研究室協力研究員、 大正製薬株式会社セルフメディケーション開発研究所主任研究員補などを経て、 17年より現職。日本薬学会、日本生薬学会(代議員)、日本臨床化学会(評議員)所属。

<分子構造モデル・構造式制作 協力>
城西大学大学院薬学研究科博士後期課程1年 佐野愛子さん
城西大学大学院薬学研究科博士前期課程2年 見沢沙瑛さん

※この内容は成分の一般的な特徴について記したものです。
製品の効能とは異なりますので、詳しくは製品の解説をご確認ください。