フェニレフリン塩酸塩(ふぇにれふりんえんさんえん)
Phenylephrine hydrochloride

作用と特徴

血管を収縮させて患部の腫れや出血を抑える成分です。鼻炎用内服薬や鼻炎用点鼻薬のほか、痔疾患用の外用薬などにも配合されています。
血管の拡張・収縮は自律神経によってコントロールされ、交感神経が優位になると血管が収縮します。フェニレフリン塩酸塩は、血管平滑筋にある交感神経の受容体の1つであるα1受容体に作用して交感神経を刺激し、血管を収縮させます。

注意事項

化膿している患部には使用しないでください。長期の連用は避けてください。他に薬を使用している人、心臓病、高血圧、糖尿病、甲状腺機能障害、緑内障などで医師の治療を受けている人、薬などによりアレルギー症状を起こしたことのある人、妊婦または妊娠していると思われる人、高齢者は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。
使用後に皮膚の腫れ、かぶれ、発疹、発赤、刺激感、化膿などが現れた場合や、5~6日くらい使用しても症状の改善が見られない場合は使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。

ちょっと一息

薬の効く仕組み

薬の多くは、もともと体の中で起きている作用を強めたり弱めたりすることで症状を改善します。そのターゲットとなるのは、細胞にある「受容体(=レセプター)」です。
体の中には細胞に指令を伝える様々な神経伝達物質やホルモンがあり、それらが受容体と結合することで指令が細胞に伝わります。1つの細胞はいくつもの受容体を持っており、薬はその中から必要な受容体を選択して結合します。
受容体と結合して神経伝達物質やホルモンと同様の作用を起こす物質を「作動薬(さどうやく)」(刺激薬・アゴニスト)といいます。一方、受容体と結合して、神経伝達物質やホルモンが受容体にくっつくのを邪魔する薬を「拮抗薬(きっこうやく)」(遮断薬・阻害薬・アンタゴニスト)といいます。
たとえばフェニレフリン塩酸塩は、α1アドレナリン受容体作動薬と呼ばれ、血管の平滑筋に存在するα1アドレナリン受容体に結合して細胞を活性化することにより末梢血管を収縮させます。

薬が作用する仕組み

監修プロフィール
鈴木 龍一郎先生
城西大学薬学部 准教授 すずき・りゅういちろう鈴木 龍一郎先生

1999年明治薬科大学薬学部卒業。05年同大学大学院薬学研究科修了(博士(薬学))。 独立行政法人理化学研究所長田抗生物質研究室協力研究員、 大正製薬株式会社セルフメディケーション開発研究所主任研究員補などを経て、 17年より現職。日本薬学会、日本生薬学会(代議員)、日本臨床化学会(評議員)所属。

<分子構造モデル・構造式制作 協力>
城西大学大学院薬学研究科博士後期課程1年 佐野愛子さん
城西大学大学院薬学研究科博士前期課程2年 見沢沙瑛さん

※この内容は成分の一般的な特徴について記したものです。
製品の効能とは異なりますので、詳しくは製品の解説をご確認ください。