サリチル酸(サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール)(さりちるさん)
salicylic acid

作用と特徴

外用の消炎鎮痛成分で、末梢の知覚神経に働いて鎮痛作用をもたらし、末梢血管を拡張して血流を改善する作用があります。湿布薬(貼り薬)や軟膏の主成分として用いられ、肩こり、腰痛、筋肉痛、関節痛などに伴う炎症や痛みをやわらげます。

注意事項

目の周囲、粘膜、湿疹、かぶれ、傷などがある部位には使用しないでください。薬などによりアレルギー症状を起こしたことのある人は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。
使用後に皮膚の腫れ、発疹、発赤、痛み、かゆみなどが現れた場合や、5~6日使用しても症状の改善が見られない場合は使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。

ちょっと一息

柳から生まれたサリチル酸

柳の葉や樹皮は、古くから世界各地で薬として利用されてきました。医学の父と呼ばれる古代ギリシャのヒポクラテスは、柳の樹皮を鎮痛・解熱に使用していたという記録があります。また、ネイティブ・アメリカンも、柳の仲間を鎮痛・解熱に用いていたといわれます。
19世紀になると、その効用に注目したドイツやフランスの薬学者が柳の樹皮に含まれる成分を分析し、活性物質の抽出に成功しました。この活性物質は、柳の学名 Salix に因んで「salicin(サリシン)」と名付けられました。このサリシンをさらに加水分解して得られたのが、サリチル酸です。そしてサリチル酸の副作用を少なくしたものが、解熱鎮痛成分としてよく知られている「アセチルサリチル酸(=アスピリン)」ということになります。
湿布薬などに含まれるサリチル酸メチルやサリチル酸グリコールも、サリチル酸の構造の一部を人工的に置き換えてつくられています。
監修プロフィール
鈴木 龍一郎先生
城西大学薬学部 准教授 すずき・りゅういちろう鈴木 龍一郎先生

1999年明治薬科大学薬学部卒業。05年同大学大学院薬学研究科修了(博士(薬学))。 独立行政法人理化学研究所長田抗生物質研究室協力研究員、 大正製薬株式会社セルフメディケーション開発研究所主任研究員補などを経て、 17年より現職。日本薬学会、日本生薬学会(代議員)、日本臨床化学会(評議員)所属。

<分子構造モデル・構造式制作 協力>
城西大学大学院薬学研究科博士後期課程1年 佐野愛子さん
城西大学大学院薬学研究科博士前期課程2年 見沢沙瑛さん

※この内容は成分の一般的な特徴について記したものです。
製品の効能とは異なりますので、詳しくは製品の解説をご確認ください。