ブロムヘキシン塩酸塩(ぶろむへきしんえんさんえん)
Bromhexine hydrochloride

作用と特徴

痰を出しやすくする去痰成分です。気道粘膜の分泌を増やすと共に、痰の粘度に関係するムチンを溶解して痰をやわらかくし、痰のスムーズな排出を助けます。
総合感冒薬(かぜ薬)や鎮咳去痰薬などに配合されるほか、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺結核、塵肺症、手術後の去痰などに広く用いられています。

注意事項

この成分の含まれた薬でアレルギーを起こしたことがある人、妊娠中または授乳中の人、病気の治療中の人は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。
主な副作用として、吐き気、食欲不振、胃部不快感、腹痛、頭痛、発疹、蕁麻疹、動悸などが報告されています。このような症状に気づいた時は、医師または薬剤師に相談してください。

ちょっと一息

アーユルヴェーダの知恵を現代医学に

インド全土で見られるキツネノマゴ科の常緑低木マラバールナッツ(Adhatoda vasica)は、インドの伝統医学アーユルヴェーダでは「Vasaka(ヴァサカ)」と呼ばれ、古くから薬として利用されてきました。根、茎、花、実などすべてが人体に有用といわれますが、一般には葉が使用され、「気管支を拡張して咳や痰を出しやすくする」「けいれんを抑える」といった効能があるとされています。
ドイツの製薬会社はこの薬効に注目して研究を行い、有効成分vasicineを加工して、1960年ごろにブロムヘキシンをつくり出しました。この例のように、医薬品の成分は天然物そのもの、あるいは天然物の誘導体(構造や性質を大幅に変えない程度の改変がなされた化合物)が、かなりの割合を占めています。アーユルヴェーダの知恵は、現代医学に見事に生かされているのです。
監修プロフィール
鈴木 龍一郎先生
城西大学薬学部 准教授 すずき・りゅういちろう鈴木 龍一郎先生

1999年明治薬科大学薬学部卒業。05年同大学大学院薬学研究科修了(博士(薬学))。 独立行政法人理化学研究所長田抗生物質研究室協力研究員、 大正製薬株式会社セルフメディケーション開発研究所主任研究員補などを経て、 17年より現職。日本薬学会、日本生薬学会(代議員)、日本臨床化学会(評議員)所属。

<分子構造モデル・構造式制作 協力>
城西大学大学院薬学研究科博士後期課程1年 佐野愛子さん
城西大学大学院薬学研究科博士前期課程2年 見沢沙瑛さん

※この内容は成分の一般的な特徴について記したものです。
製品の効能とは異なりますので、詳しくは製品の解説をご確認ください。