RSウイルス感染症

「RSウイルス」は、人が生涯にわたって何度も感染し、感染するとかぜ症状を引き起こします。1歳までに半数以上、2歳までにほぼ100%の人が1度はRSウイルスに感染します。大人では軽い鼻かぜ程度で済むことが多い一方で、初めて感染した乳幼児(特に2歳未満)は重症化しやすいのが特徴です。乳幼児における「肺炎」の約50%、「細気管支炎(さいきかんしえん)」の約50~90%はRSウイルスが原因だといわれており、乳幼児期の重症化に特に注意が必要な感染症です。また、高齢者も重症化しやすいので気をつけましょう。 RSウイルス自体に有効な抗ウイルス薬はなく、通常は1週間ほどで自然治癒します。しかし、重症化しやすい乳幼児は入院になるケースもあり、特に生後2カ月未満の乳児は無呼吸などの重篤な症状を引き起こしてしまうこともあるため、慎重な対応が必要です。

RSウイルス感染症の「季節外れの流行」に注意!

RSウイルスが流行する時期は、これまでは秋に始まり冬にピークを迎え、春先に収束する、いわゆる「冬季のウイルス」という認識が一般的でした。しかし近年、流行の始まりが夏に前倒しされるなど季節外れの流行が増えており、流行時期の変動を注視する感染症となっています。 特に2021年は、春から全国的に季節外れの大きな流行を見せています。乳幼児に呼吸器症状や発熱があれば、いち早くかかりつけの小児科医に相談しましょう。


2021年のRSウイルス感染流行状況
出典:国立感染症研究所「RSV Infection cases reported per sentinel weekly [定点当たり報告数]」

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監修プロフィール
黒木 春郎先生
外房こどもクリニック院長 くろき・はるお黒木 春郎先生

千葉大学医学部卒業。医学博士。千葉大学医学部附属病院小児科医局に所属し、関連病院勤務を経て、1998年千葉大学医学研究院小児病態学教官。2005年、外房こどもクリニックを開業。千葉大学医学部臨床教授、日本小児科学会専門医・指導医、日本感染症学会専門医・指導医・評議員、厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」構成員等を務める。著書に『プライマリケアで診る小児感染症 7講』(中外医学社)、共著『最新感染症ガイド R-Book 2018-2021』(日本小児医事出版社)ほか。

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