前立腺がん

60歳から罹患率が急増する前立腺がん

前立腺がんは男性のがんで胃がん、大腸がん、肺がんに次いで4番目に多く、年齢別にみると60歳頃から顕著に罹患率が高くなっています。がんの進行自体はゆっくりしていて、早期の前立腺がんは多くの場合、自覚症状がほとんどなく、自分では気づきにくい傾向があります。

前立腺がんの原因:はっきりとしていないが、加齢や遺伝などが関係とも

前立腺がんが発症するはっきりとした原因は分かっていません。しかし、危険因子(リスクファクター)として加齢、遺伝的要因、高脂肪食などが挙げられています。

前立腺がんの危険因子①:加齢
前立腺がんは60歳頃から増え始め、高齢男性に多い
前立腺がんの危険因子②:遺伝的要因
父親または兄弟が前立腺がんを発症していると本人がかかる可能性が倍になるという報告がある
前立腺がんの危険因子③:高脂肪食
動物性脂肪、動物性たんぱく質の多い食生活を続けていると前立腺がんのリスクが高まるとされている

前立腺がんの症状:自覚症状はほとんどないのが特徴

初期の前立腺がんには、自覚症状がほとんどありません。そのため、検診や人間ドックなどを受けなければ、前立腺がんの発症に気づかないことが多いでしょう。最も気づきやすいのが排尿障害ですが、前立腺がんは初期の場合、尿道からやや離れた領域に発症します。尿道に症状が現れるということは、それなりにがんが進行していると思ってよいでしょう。また前立腺がんは骨やリンパ節に転移すると背骨や腰の痛み、足のしびれ、下肢や下腹部のむくみなどを引き起こすことがあります。

早期発見にはスクリーニング検査(PSA検査)を受けよう

前立腺がんの早期発見には、採血のみによって行われる腫瘍マーカー「PSA検査」が使われています。ただし、PSAの値は、がん以外でも肥大症や炎症などでも数値が上がってしまうため、施設によっては、より正確な診断のためにMRI検査などを併用することがあります。

PSAはテストステロン(男性ホルモン)が働いて分泌されるため、テストステロン値が高い人は基本的にPSAも高めですが、テストステロンが低いのにPSAが高いと、がんが隠れている可能性が高くなります。

前立腺がんの治療法は選択肢が広い

前立腺がんと診断するには、まず問診やPSA(腫瘍マーカー)検査、直腸診、超音波検査、MRI検査などを行い、前立腺がんの疑いがあるかどうかを確認します。一連の検査でがんが疑われた場合は、前立腺生検という確定診断を行って、がん細胞の有無や悪性度を判定します。その結果、前立腺がんと診断されると治療を行いますが、前立腺がんの治療法は他のがんと比べて数が多く、選択肢の幅が広いという特徴があります。

前立腺がんの治療法
分類主な治療法
手術療法 ・ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術
・腹腔鏡(内視鏡)下前立腺全摘除術
・前立腺全摘除術(開腹)
放射線療法 ・外部照射療法
・3D-CRT
・IMRT
・粒子線療法
・内部照射療法(小線源療法)
超音波療法 ・HIFU(高密度焦点式超音波療法)
その他 ・待機療法(経過観察)
・監視療法

治療の際にはいくつかの選択肢が示されることが少なくありません。その場合、それぞれの治療法のメリット・デメリットなどを把握した上で、「自分が何を優先したいのか」を考えて、自分に合った治療法を選びましょう。

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