甲状腺疾患の原因

甲状腺ホルモンの分泌量に異常が起こり甲状腺疾患を発症する

甲状腺は、のどぼとけのすぐ下にある、蝶が羽を広げたような形の器官で、体全体の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンを分泌しています。血液中の甲状腺ホルモン量は一定に保たれるようコントロールされていますが、甲状腺ホルモンの分泌量が過剰になったり、逆に減少したりすることがあります。いずれも免疫機能に異常が起こり、自分の甲状腺を攻撃する自己抗体が増殖してしまうためですが、このような反応が起こる原因についてはよく分かっていません。

甲状腺

代表的な甲状腺疾患は「バセドウ病」と「橋本病」

女性に多い甲状腺の病気―バセドウ病や橋本病は、同じ自己免疫異常の仲間です。

甲状腺が刺激され、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態を「甲状腺機能亢進症」といい、抗体が甲状腺を刺激した結果、亢進症状が出るのが「バセドウ病」です。逆に甲状腺の組織が壊されてしまい、分泌量が低下する状態を「甲状腺機能低下症」といい、これが中高年女性に多い「橋本病」です。

いずれも圧倒的に女性に多いのが特徴で、バセドウ病は20〜40代に、橋本病は50代以上によく見られます。女性にとって体質的な弱さともいえます。女性ホルモンの変動に関係するので、妊娠前や産後、更年期に注意しましょう。

また、身内に甲状腺疾患が多い人は、若い時から定期的に検査を受けましょう。甲状腺疾患の検査は会社や自治体の健康診断、人間ドックの検査項目には含まれていないことが多いので要注意です。

甲状腺疾患①:バセドウ病
バセドウ病は甲状腺が抗体によって刺激されて働きが亢進し、甲状腺ホルモンの分泌量が過剰になる。女性患者数は男性の約4倍と女性に多い病気で、特に20〜40代に多く見られる。

不妊、流産や妊娠高血圧症につながりやすいので、妊娠前からチェックしておいたほうがよい。

甲状腺疾患②:橋本病
橋本病は甲状腺の働きが悪くなり、甲状腺ホルモンの分泌量が不足する。女性患者数は男性の約20倍と、圧倒的に女性に多い病気。30〜60代の幅広い年代で発症するが、特に女性ホルモンの分泌が低下する50代以上の女性に多く見られる。

更年期障害やうつ病と間違われたり、併発したりするので要注意。