やけどの症状

やけどの重症度は「深さ×面積×部位」で決まる

やけどは「深さ・面積・部位」を総合的に判断して重症度が決まります。直後は深さの判定が難しいこともありますが、いざという時のために覚えておきましょう。やけどは、重症度に応じた迅速で適切な初期対応が何よりも大切です。

やけどの深さの重症度は「3段階」

皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3つの層に分かれています。やけどの深さは、障害を受けた部分が皮膚のどの層にまで及んでいるかで判定します。ただし、やけどの直後は深さの判定が難しいこともあります。 表皮は皮膚の最も外側にあり、外部の様々な刺激から体を保護しています。真皮には、汗腺、皮脂腺、毛、血管などがありますが、神経が張り巡らされているため痛みを感じます。皮下組織には脂肪細胞があり、衝撃から身を守る、体温を保つなどの働きがあります。

皮膚の構造
やけどの深さ:I度
表皮のみのやけど。皮膚が赤くなり、むくむだけで水ぶくれ(水疱)はできない。痛みも軽く、傷あとは残らないが、色素沈着を起こす場合がある。
やけどの深さ:II度
真皮にまで及ぶやけど。水疱、発赤、びらんができる。真皮に達するやけどの中でも深さによって「浅層熱傷」と「深層熱傷」に分けられる。
浅層熱傷
強い痛みがある。毛包、皮脂腺、汗腺などは残り、1、2週間で傷あとが残らずに治ることが多い。
深層熱傷
痛みはむしろ軽くなる。皮膚の新生に3、4週間かかり、皮膚の移植が必要になることもある。
やけどの深さ:III度
皮膚と皮下組織にまで損傷が及ぶやけど。受傷した部位は白っぽいか灰色で乾燥しており、痛みを感じる神経まで損傷されているので痛みは軽い、または、痛みはないこともある。傷あとが必ず残り、皮膚の新生に長期間かかる。
深さの重症度 深さの重症度 皮膚の状態 皮膚の色 知覚・痛み
I度 表皮 乾燥 紅斑 痛み
知覚過敏
II度 浅層熱傷 真皮 湿潤・水疱 薄赤 強い痛み
知覚あり
深層熱傷 真皮 湿潤・水疱 やや白色 痛み軽度
知覚鈍麻
III度 皮下(脂肪)組織 乾燥
硬化
炭化
蠟色
黄色~赤茶色
黒色
無痛

(出典)一般社団法人 日本創傷外科学会HPより一部加筆

やけどの「重症度」を判定し、必要なら救急要請を

やけどの深さと面積、部位によって、以下のように重症度を判断します。

重症度 II度 III度 部位 対応
重症 30%以上 10%以上 特殊部位(顔・手・会陰など)の熱傷、
気道熱傷(熱い空気を吸い、のどや気管がやけどした状態)、
化学熱傷、電撃傷(感電・落雷)など
救急センターでの集中治療が必要(救急要請すべきレベル)
中等症 15~30% 2~10% 特殊部位(顔・手・会陰)を含まない 一般病院での入院治療が必要(状況によっては救急要請する)
軽症 15%未満 2%未満 2%未満

※%は体表面積に占める割合

※子どもや高齢者、重い持病のある人は、上記の%数値が低い場合でもより重症になります。

(出典)一般社団法人 日本熱傷学会HPより一部加筆

中等症のやけどでは手当に緊急を要する可能性もあります。時間外でも入院施設のある病院を受診しましょう。また、子どもや高齢者、重い持病のある人は上記の判定より低くても重症になるので、これらの人は少なくとも「本人の手のひら以上の面積の水疱のあるやけど」であれば、病院の診察時間外でもすぐに受診を。病院に連絡する場合や救急車を呼ぶ場合は「何歳の誰が、いつ、どんな場所で、どのような物によって、どの部位にやけどをしたか」の情報をあらかじめ伝えられるようにしておきます。