サルコペニア(筋肉減少症)の症状

サルコペニアの症状は、意識しないと気づかないことも

サルコペニアでは筋肉量の減少、筋力の低下、身体機能の低下によって、次のように様々な症状が現れます。ただ、意識をしないと気づかないことも多いため、以下のような兆候があったらサルコペニアのセルフチェックをしてみましょう。

●筋肉量の減少によるサルコペニアの症状・リスク

①体重減少
ヒトの体重の約40%は筋肉が占めているため、体重が減少する。筋肉量が減っても体脂肪が増えている場合、体重が増加することもある。
②冷え性
筋肉量が減少すると、筋肉での熱産生が減少し冷え性になりやすい。
③熱中症・脱水
筋肉の成分の約75%は水分のため、水分量が減り、熱中症や脱水になりやすくなる。
④骨粗しょう症
筋肉量が減ると骨密度も低下する。サルコペニアと診断された場合、骨粗しょう症を合併していることもある。
⑤糖尿病
筋肉量が減るとインスリン抵抗性となり、糖尿病を発症しやすくなる。

●筋力の低下によるサルコペニアの症状・リスク

①立ち上がるのが困難
下肢の筋力が低下すると、いすから立ち上がる時に何かにつかまらないと難しくなる。
②力を入れる作業ができない
握力が低下すると、ペットボトルのふたや缶のプルタブなどを開けるのが難しくなる。
③疲れやすい
日常生活には一定以上の筋力が必要なので、筋力低下により、最大筋力に近い力が常に必要となり、疲れやすくなる。
④バランスが悪い・転びやすい
筋力低下により立っている時や歩行時のバランス能力が低下する。片足立ちできる時間が1分に満たない場合は要注意。

●身体機能の低下によるサルコペニアの症状・リスク

①横断歩道を渡り切れない
歩行者用の信号の多くは毎秒1mの歩行速度で渡り切れるように設定されているため、筋力が低下して歩行速度が落ちると青信号のうちに渡り切れなくなる。
②階段昇降が難しい
階段の上り下りがつらくなる。
③閉じこもりがちになる
疲れて外出するのが面倒になり、外出しなくなると身体機能はさらに低下し、閉じこもりがちになるという悪循環に。
横断歩道を渡り切れない
監修プロフィール
荒井 秀典先生
国立長寿医療研究センター 理事長 あらい・ひでのり荒井 秀典先生

医学博士。日本老年学会理事長、日本老年医学会副理事長、日本サルコペニア・フレイル学会代表理事他を務める。専門領域は、老年医学一般、フレイル、サルコペニア、脂質代謝異常。1984年京都大学医学部卒。91年京都大学医学部大学院医学研究科博士課程修了。91年京都大学医学部老年科助手、93~97年米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校研究員。2009年、京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻教授。15年、国立長寿医療研究センター副院長を経て、19年より現職。