サルコペニア(筋肉減少症)の原因

サルコペニアの主な原因は加齢。不活発な生活や疾患、低栄養が原因となる場合も。

サルコペニアは、加齢のみが原因の一次性サルコペニアと、活動、疾患、栄養が原因で起こる二次性サルコペニアに分類されています。多いのは一次性サルコペニアですが、二次性サルコペニアは若い人にも起きることがあり、サルコペニアは決して高齢者だけが注意すればよい疾患ではありません。

一次性 加齢性サルコペニア 加齢以外に明らかな原因がない
二次性 活動によるサルコペニア 寝たきりや長期的な安静状態、不活発な生活スタイル、無重力によるもの
疾患によるサルコペニア 重症臓器不全(心臓、肺、肝臓、腎臓、脳)、炎症性疾患、悪性腫瘍、内分泌疾患によるもの
栄養によるサルコペニア エネルギーとタンパク質の摂取量不足(吸収不良、消化管疾患、および食欲不振を起こす薬剤使用)などによるもの

若い女性の5人に1人が「隠れ肥満」で、将来サルコペニアのリスクがある

19~23歳の女性の身体組成を調べた国立長寿医療研究センターの研究では、5人に1人が、見た目はスリムでも体全体に占める脂肪の割合が多い「隠れ肥満」(BMI25未満なのに、体脂肪率が30%を超える状態)であり、その中には骨格筋量が著しく少ない女性も数多くいたという報告があります。こうした隠れ肥満は、運動不足になりがちな生活習慣や無理なダイエットなどが原因で起こります。隠れ肥満は将来のサルコペニアにつながるリスクもあるので注意が必要です。

監修プロフィール
荒井 秀典先生
国立長寿医療研究センター 理事長 あらい・ひでのり荒井 秀典先生

医学博士。日本老年学会理事長、日本老年医学会副理事長、日本サルコペニア・フレイル学会代表理事他を務める。専門領域は、老年医学一般、フレイル、サルコペニア、脂質代謝異常。1984年京都大学医学部卒。91年京都大学医学部大学院医学研究科博士課程修了。91年京都大学医学部老年科助手、93~97年米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校研究員。2009年、京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻教授。15年、国立長寿医療研究センター副院長を経て、19年より現職。