RSウイルス感染症の症状

RSウイルス感染症の鼻かぜ症状は1週間程度で改善。年齢が低いほど重症化に注意を

RSウイルスに感染すると4~6日間の潜伏期間を経たのち、鼻水、くしゃみ、せき、発熱などのかぜ症状が出ます。鼻水がたくさん出ることも特徴です。RSウイルス感染症の症状の強さは乳幼児でも個人差が大きく、多くの場合は軽症で済み、1週間程度でよくなります。ただし、年齢が低いほど重症化しやすく、また初めて感染した場合に最も症状が重くなりやすい傾向にあります。

2歳未満では重症化のリスクが高く、「細気管支炎」や「肺炎」になる場合があります

RSウイルスによる炎症が、鼻やのどなどの上気道(じょうきどう)で2~3日続いた後、下気道(かきどう)に及ぶと重症になります。乳児の場合、肺胞に近い気道である細気管支に炎症が起きる「急性細気管支炎」の50~90%はRSウイルス感染症が原因とされています。急性細気管支炎は一般的に2歳未満、特に生後6カ月未満の乳児がかかりやすく、入院に至るケースもあります。

2歳未満では重症化のリスクが高く、「細気管支炎」や「肺炎」になる場合があります

かぜ症状が出てから2~3日して、以下のように呼吸状態が悪化してきた場合は、細気管支炎や肺炎などに進展して呼吸困難に陥っている可能性があるので、すぐに病院を受診してください。

  • 「ゴホゴホ」という、たんが絡んだ重い咳が出る
  • 呼吸をする時に、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」「ゼロゼロ」「ゴロゴロ」と、気道が鳴る「喘鳴(ぜんめい)」がある
  • 呼吸が速く、浅い(正常な呼吸数の目安=新生児40~60回/分、乳児30~40回/分)
  • 息をする時、のど元や横隔膜のあたりがペコペコとへこむ「陥没呼吸」になっている
  • 鼻の穴を膨らませて、苦しそうに呼吸をしている
  • 母乳やミルクののみが悪く、水分が摂れない
  • 機嫌が悪く、泣き叫ぶ
  • ぐったりしている
  • 40℃以上の高熱がある
陥没呼吸

<まれに起こる重篤な症状>

  • 生後2カ月未満の乳児で、呼吸が短時間止まる(無呼吸発作)
  • 血液中の酸素が不足し、くちびるなどが青紫色に変化する「チアノーゼ」の症状がある

生後2カ月未満や低出生体重児、心肺に疾患があると無呼吸発作が起こりやすい

生後2カ月未満の乳児や2,500g未満で生まれた低出生体重児、心臓や呼吸器に先天的な病気があったり免疫不全があったりする場合は、特に重症化しやすくなります。そのような乳幼児の場合、せきや鼻水など初期のかぜ症状の段階で、突然死につながる無呼吸発作を起こしてしまうことがあるので注意が必要です。

監修プロフィール
黒木 春郎先生
外房こどもクリニック院長 くろき・はるお黒木 春郎先生

千葉大学医学部卒業。医学博士。千葉大学医学部附属病院小児科医局に所属し、関連病院勤務を経て、1998年千葉大学医学研究院小児病態学教官。2005年、外房こどもクリニックを開業。千葉大学医学部臨床教授、日本小児科学会専門医・指導医、日本感染症学会専門医・指導医・評議員、厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」構成員等を務める。著書に『プライマリケアで診る小児感染症 7講』(中外医学社)、共著『最新感染症ガイド R-Book 2018-2021』(日本小児医事出版社)ほか。

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