痛みや発熱、難聴などが起きるが、中耳炎の種類によって症状は異なる
中耳炎の主な症状は痛みや発熱、難聴などですが、種類と重症度によって異なります。
①急性中耳炎
急性炎症が起こって中耳に膿がたまるため、ズキズキする激しい耳の痛みや、耳だれ、37・5度以上の発熱が起こる。また難聴(耳の聞こえの悪さや、耳が詰まった感じなど)も起こる。
②滲出性(しんしゅつせい)中耳炎
中耳に液体がたまるため難聴が起こる。 耳の痛みや発熱は起こらないことが多いので、特に乳幼児がかかると気づきにくい。子どもに起こる難聴の一番の原因。
③慢性中耳炎
鼓膜が破れて穴が開いた状態になるため、耳だれ(耳の穴から出てくる分泌物)が繰り返し起こることがある。また難聴が続く。
④真珠腫性(しんじゅしゅせい)中耳炎
真珠腫が増殖して耳小骨が侵食されるため、耳が聞こえにくくなる。耳だれを伴うこともあるが進行して音を感知する蝸牛が壊されると難聴が悪化する。また平衡感覚をつかさどる三半規管が壊されるとめまいが起こり、顔面神経まで進展すると顔面麻痺が起こる。さらに頭蓋内に入ると髄膜炎を起こすこともある。

乳幼児は症状がうまく伝えられないため、かぜの後の様子を見逃さないで
耳の痛みは急性中耳炎の主な症状ですが、乳幼児は症状をうまく訴えることができません。かぜに続き次のような様子が見られたら、急性中耳炎を疑って受診するようにしましょう。
●機嫌が悪い、夜泣きをする
●耳をよく触る
●首をしきりに振る
●粘りのある黄色い鼻水が続く

子ども自身は難聴に気づかないので、次のような行動に注意を
中耳炎で乳幼児や子どもに難聴が起こっても、子ども自身が気づくことはまれです。周囲の大人は次のような行動に注意し、気になることがあれば早めに医師に相談しましょう。
●呼びかけても振り向かない
●落ち着きがない
●よく聞き返す
●言葉が少ない
●テレビの音が大きい
●大きな声で話すようになる
