ヘルペスの対策・予防

ヘルペスの兆しが現れたら、すぐに医療機関を受診する

現在の治療法では、神経節の中に入り込んだヘルペスウイルスを取り除くことはできませんが、適切な治療により、ヘルペスの症状の悪化を抑えて再発を軽症化することができます。処置が早いほど症状は軽く回復も早まりますので、チクチク、ピリピリといった再発の前兆が現れたらすぐに皮膚科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。治療は、ヘルペスウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬を基本として、症状により抗生物質や鎮痛剤、ビタミン剤を使用する場合もあります。抗ウイルス薬は数種あり、症状の程度によって使い分けられます。症状の悪化を防ぐためには、患部を清潔に保ち、強い紫外線を避け、十分な休養を。炎症を悪化させるアルコールは控えましょう。

ヘルペスの治療薬①:外用薬
皮膚に現れているヘルペスの症状を抑える。ごく軽症で再発が頻繁でない場合に処方される。
ヘルペスの治療薬②:内服薬
皮膚の症状だけでなく、神経節にいるヘルペスウイルスの増殖を抑える。また再発の前兆が出た段階で服用すると、回復が早まるだけでなく、神経節に戻るヘルペスウイルスの量を減らして再発しにくくする効果もある。
ヘルペスの治療薬③:点滴
ヘルペス初感染で重症化している場合や、免疫不全の基礎疾患がある場合などに行う。

ヘルペスの再発予防のためにワクチン接種も有効

ヘルペスの原因である水痘ウイルスに対して、水痘ワクチンが有効です。免疫力が低下している方、帯状疱疹を繰り返す方など、予防的に水痘ワクチンを接種することで、重症化を防ぐことができます。

他人へのヘルペスウイルス感染予防のポイント

単純ヘルペスの発症時にできる水ぶくれの中には膨大な数のウイルスがいるため、人から人、またはウイルスが付着した物から人への接触感染によって、非常に感染しやすいことも特徴です。特に皮膚に傷や湿疹ができていたり、抵抗力が落ちていたりする人がウイルスに接触すると感染する率は高くなります。症状が出ている時は特に、他人への感染を予防するために次のことを心がけましょう。

感染のルート
  • 口唇ヘルペスではマスクを着用するなどして、患部にはなるべく触れない。
  • 水ぶくれを破らないよう気をつける。
  • 患部を触った場合は、すぐに石けんで手を洗う。
  • タオルや食器を他の人と共有しない。
  • キスや性交渉は避ける。
  • 早期治療。

ヘルペスは免疫力が下がった時に再発しやすい

ヘルペスウイルスは、他のウイルス性の病気と異なり、一度感染すると症状がなくなった後もウイルスが神経節の中にじっと潜み、免疫力が弱まった時に症状が再び現れます。口唇ヘルペスの再発頻度は平均年約2回。2型の性器ヘルペスでは女性で平均年7回、男性で平均年12回と頻繁に繰り返すのが特徴です。再発してもやがて自然に治りますが、症状が悪化してウイルスが極端に増殖すると再発頻度が高くなり、症状も重くなります。また、再発を繰り返すと水ぶくれの部分がただれて痕が残ってしまうことがあるので、早めにケアを行うことが大切です。

再発を引き起こす過程

ヘルペス再発を防ぐ日頃のケア

主にストレスや疲労、睡眠不足、発熱などがヘルペス再発のきっかけになりますが、次のようなことで免疫力が低下した時にも再発しやすくなるので注意しましょう。

ヘルペス再発のきっかけ①:強い紫外線
紫外線を浴びることによって皮膚の免疫力が低下すると発症しやすくなるので、強い紫外線は避ける。夏のレジャー、登山やスキーなどの後に現れることがよくあるので注意。
ヘルペス再発のきっかけ②:月経前
女性は排卵後、女性ホルモンの乱れにより体調が崩れ、ウイルスへの抵抗力が落ちる。月経中も無理をしない。
ヘルペス再発のきっかけ③:薬剤の服用
副腎皮質ホルモン剤、免疫抑制剤、抗がん剤などにより抵抗力や免疫力が低下する。
日頃のケアで再発を防ぐ

口唇ヘルペス再発時は市販薬で対応可能

口唇ヘルペスの場合は、病院でも処方されている外用の抗ウイルス薬が市販されています。ただし、過去に病院で口唇ヘルペスと診断されたことがあり、同じ症状である場合に限り使用が可能な再発治療薬です。購入の際には、薬剤師から使い方や副作用など、服用に関する説明を受けてください。唇やその周辺にピリピリ、チクチクとした再発の兆しが現れたらすぐに塗布を開始することがポイントです。

症状が出ている範囲が広い場合や、5日間使用しても症状が改善されない場合は使用を中止し、受診するようにしましょう。

監修プロフィール
今津嘉宏先生
芝大門 いまづクリニック院長 いまづ・よしひろ今津嘉宏先生

1988年藤田保健衛生大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室助手、同大学医学部漢方医学センター助教、WHO intern、慶應義塾大学薬学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、首都大学東京非常勤講師などを経験。2013年芝大門 いまづクリニック開設。北里大学薬学部非常勤教員。著書に『風邪予防、虚弱体質改善から始める 最強の免疫力』(ワニブックス)など。

今すぐ確認!ドクターズチェックはコチラ

もっと知りたい!動画はコチラ