打撲(だぼく)・ねんざの対策

打撲・ねんざの応急処置は、「RICE(ライス)」療法で

打撲・ねんざを起こした場合、ただちに次に紹介する「RICE(ライス)療法」を行ってください。

R (REST=安静)
患部を動かさないで安静にして休む。足には松葉杖を使う、腕は三角巾で吊るなど体重をかけないこと。
I (ICE=冷却)
炎症を抑え、痛みをとるため、患部を中心に広めの範囲で、氷のうやバケツに入れた氷水などで冷やす。冷却スプレー、冷感パックも効果的。
C (COMPRESSION=圧迫)
内出血や腫れを防ぐため、スポンジや弾力包帯、テーピングで患部を圧迫して固定する。
E (EREVATION=高挙)
患部を心臓より高い位置に保つことで、内出血や腫れを防ぐ。
RICE(ライス)療法
冷却は応急処置だけでなく、処置後も断続的に続けます。1回につき15~30分くらい、しびれて感覚がなくなった頃に冷やすのをいったんやめる治療を繰り返します。 ただし、子どもや高齢者、糖尿病の人などは血液循環が悪いため、長時間冷やすと凍傷を起こす危険がありますから、1回につき10分くらいにとどめてください。

打撲・ねんざで病院を受診した方がよいケース

打撲やねんざの程度によりますが、手足の軽い打撲・ねんざ以外は念のため病院で診察を受けるようにしましょう。特に、次のような症状がある場合は受診が必要です。

打撲・ねんざで、骨折や脱臼、靱帯断裂が疑われる場合
手足を打撲した時、骨が「く」の字に曲がったり、変形を起こしたり、普段なら動かない方向に骨が動いたりする場合などは骨折が疑われる。また、ねんざで強い痛みと腫れがある場合は、脱臼、靱帯断裂の可能性があるので受診すること。
打撲・ねんざで、骨折や脱臼、靱帯断裂が疑われる場合
打撲・ねんざで、1週間痛みや血腫が引かない場合
打撲や軽いねんざの場合は、市販薬を使って1週間ほどすると通常は改善が見られる。1週間くらい使用しても痛みや腫れ、血腫が引かず、よくなる傾向が見られない場合や原因不明の痛みが続く場合は、他の病気の可能性もあるので受診を。
打撲・ねんざで、1週間痛みや血腫が引かない場合
頭部や顔の打撲
頭部を打撲した時、意識障害があれば、「大丈夫ですか?」「もしもし」と肩を叩いて呼びかけ、反応を見る。打撲直後は一見、正常に見えるのに、10~20分から数時間のうちに意識障害や手足の運動麻痺が起こる場合、「頭蓋内血腫」が疑われる。意識障害がない場合は患部を冷やし、消化のよい物を食べさせ、ゆっくり寝かせて様子を見る。ただし、夜中、少しでも頭痛や吐き気を訴えたら、すぐに病院に行く必要がある。顔面を打撲した場合、鼻筋が曲がったら「鼻骨骨折」、ものが二重に見えるのは「眼窩の骨折」、片方の頬が平坦なら「頬骨骨折」などが疑われる。
胸やお腹の打撲
胸を打撲した時、深呼吸をさせたり、胸部を前後方向に圧迫したりすると強い疼痛を訴える場合は、「胸部骨折」などが疑われる。お腹を打撲した時、持続性の激烈な腹痛が起こって腹部全体に広がる場合、肝臓や腎臓、脾臓の損傷や消化管の破裂が疑われる。打撲後、短時間で腹部が膨張してきたら、腹腔内の出血が考えられる。
腰の打撲
腰部を打撲した時、下肢の方へ神経痛が走ったり、下肢を自分の意思で動かせなかったりする場合、脊柱が圧迫骨折を起こして、脊髄(背骨の中を縦に通っている神経の束)が傷ついている危険がある。

市販の外用薬でセルフケアする場合、急性期はまず冷やし、回復期に温める

打撲や軽いねんざには、貼り薬や塗り薬などの外用鎮痛消炎剤が有効です。外用薬での治療効果を高めるために、急性期には患部を積極的に冷やし、回復に向かう時期には血行を促すケアを併用するとよいでしょう。

急性の痛みや腫れは患部を冷やすことで毛細血管が収縮し、炎症を起こした組織からの出血を抑えて腫れを防止します。氷を患部に直接当てたり、冷やし過ぎたりすると凍傷を起こすので注意してください。外用薬を患部に使用した上に、さらにアイシングを行うこともできます。急性期に患部を温めると炎症が広がり、痛みが増すことがあるので十分注意を。急性期の症状が落ち着き回復に向かう時期(目安としてはねんざ後4日目以降)は血行を促すケアに切り替えると、新陳代謝を活発にし、回復を早めます。湿布薬には、冷感タイプと温感タイプがあります。

・急性期のケア

急性期のケア

・回復期のケア

回復期のケア
監修プロフィール
今津嘉宏先生
芝大門 いまづクリニック院長 いまづ・よしひろ今津嘉宏先生

1988年藤田保健衛生大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室助手、同大学医学部漢方医学センター助教、WHO intern、慶應義塾大学薬学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、首都大学東京非常勤講師などを経験。2013年芝大門 いまづクリニック開設。北里大学薬学部非常勤教員。著書に『風邪予防、虚弱体質改善から始める 最強の免疫力』(ワニブックス)など。

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