花粉を排除しようと免疫機能が働くことで花粉症を発症
免疫機能とは、体内に外敵が入った時に退治するために抗体という“武器”をつくる仕組みです。免疫機能が正しく働くことで体の健康が守られていますが、時に外敵を排除しようとする反応が過剰に起きてしまう場合があります。
花粉症の場合は、体内に入った花粉を外敵と見なして排除するために、アレルギー反応を引き起こすIgE抗体をつくることから始まります。このIgE抗体は、花粉が体内に侵入するたびに増えていき、やがて一定量を超えるとヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、これらが鼻や目の粘膜に作用して、鼻水やくしゃみを引き起こします。これが、花粉症が起こるメカニズムです。

花粉症を引き起こすのはスギの花粉だけじゃない
花粉症の原因植物はスギが代表的ですが、それ以外にも次のような植物が花粉症の原因となります。なお、スギ花粉症のある人は、ヒノキ花粉にも反応しやすい傾向があるなど、複数の花粉に反応する人も少なくありません。
- スギ
- スギは樹齢30年を過ぎた頃から花粉を多く飛散させ、飛散時期は2〜4月末頃。ただし、最近では12月の終わり頃から微量のスギ花粉に反応して花粉症を発症させる、ハイパーセンシティビティと呼ばれる過敏症の人もいる。
- ヒノキ
- スギ花粉に少し遅れて、3〜5月頃に飛散するのがヒノキ花粉。植林面積はスギに次いで広く、スギ花粉の飛散が終わっていても花粉症の症状が出るようであれば、ヒノキ花粉が原因の花粉症の可能性がある。
- イネ科の植物
- 晩春から夏にかけて花粉を飛ばすカモガヤ、オオアワガエリ、ハルガヤなど道端や草地に生育するイネ科の植物も花粉症を引き起こす。
- ブタクサ、ヨモギ
- 道端や草地、畑などいたるところに生育するブタクサやヨモギの花粉でも花粉症になります。夏から秋にかけて飛散のピークを迎える。