そのだるさは栄養不足が原因かも !? 疲れない食べ方

そのだるさは栄養不足が原因かも !? 疲れない食べ方

夏バテ防止に栄養補給は重要ですが、食べた物をしっかり消化・吸収できなければ、せっかく摂った栄養を活かすことはできません。
そこで大事になるのが「食べ方」です。管理栄養士の視点から健康的な食べ方のコツをご指導いただきました。

<目次>
1.夏バテで食欲が低下気味。このだるさは暑さのせいですか?
2.何を、どんなバランスで食べたらいいの?
3.糖質は控えたほうがいいのでは?
4.太りにくい食べ方ってあるの?

Q1 夏バテで食欲が低下気味。このだるさは暑さのせいですか?

A1 だるいのは、胃腸機能の低下が原因かもしれません。

暑くて食欲が減退しがちな夏は、冷たい麺類やフルーツなど、かまない食事に偏りがちです。しかし、こうした食事を続けていると、胃腸機能が低下。食べ物の消化・吸収がうまく行えなくなり、体が栄養不足の状態となって「疲れ」や「だるさ」が生じてしまいます。
さらに最近では、朝食を抜いたり、食べ過ぎた後は食事を抜いたりと、1日3食食べない人も増えています。こうした食生活を続けていると、胃腸は、「入ってこないなら、動かなくてもいい」と怠けるようになってしまいます。
健康志向の人がよく活用しているスムージーやプロテインドリンクなどの液体食も、「かまない」で済むことから胃腸機能の低下につながってしまいます。
胃腸の機能を回復させるおすすめの方法は、食べて胃腸を動かすことです。胃腸も筋肉なので、動かすことで鍛えられるのですが、手足などの筋肉と違い、意識的に動かすことはできません。胃腸の筋肉を鍛えるには食べること。固形物をよくかんで食べると、唾液の分泌が促され、胃腸が活発に動くようになります。

column:食べていないのになぜ太る!?

食事制限をするとはじめは体重が減りますが、ある時点から変わらなくなり、逆に増えてしまうことがあります。これは栄養不足になった体が、少ない栄養をため込もうとして脂肪を蓄積するため。食事量を極端に減らすと肝臓や腎臓の働きに影響を与える場合もあり、排出機能が衰えてむくんでしまうことも。食べないストレスと体重増加のストレスは、ダブルパンチで自分を追い込んでしまいがち。ダイエットでやせ細ったのは体より心……とならないよう、ゆらぎ世代の女性ほど注意が必要です。

Q2 何を、どんなバランスで食べたらいいの?

A2 3食で「ごはん6対おかず4」のバランスがおすすめ。

胃腸機能を向上させ、疲れにくい体にするためには、1日を通してごはん(米)とおかずが「6対4」になる食べ方がおすすめです。このバランスは3食トータルで調整してください。例えば昼におかずを食べ過ぎたら、夜はごはん中心にして調整すればよいのです。
主食となるのは、長年、日本人が食してきたごはん(米)が基本です。その理由の1つは、脂質が少ないこと。パンやパスタの場合は、製造工程や調理に油を使うことが多く、総カロリーに対する脂質の割合は、食パンで約15%、デニッシュ系のパンでは40〜50%にもなります。一方で、ごはんは約2%です。最近では脂質の摂取量が多い女性が増えているのですが、これはごはんよりもパンや麺類を多く食べているのが原因と思われます。
ごはんをすすめるもう1つの理由は、他の穀類よりもアミノ酸スコアが高いことです。「ごはんは糖質」というイメージが強いかもしれませんが、実際には糖質だけでなく、タンパク質をはじめ、ビタミン、ミネラル、食物繊維なども含んでいます。
ここで注目したいのが米に含まれるタンパク質の「質」です。肉などの動物性のアミノ酸スコアは100で、体内で最も利用されやすいレベル。一方、白米のアミノ酸スコアは65です。パンや麺類の原料となる小麦は40以下ですから、穀類の中では白米はアミノ酸スコアが高いのです。
肉類などと比べ、ごはんは消化がよいですから、夏バテで食欲が落ちている人には体に負担をかけずに摂れる、貴重なタンパク源となります。さらに、ごはんに大豆製品であるみそ汁を加えれば、アミノ酸スコアは100にレベルアップします。
こうしたことから、疲れにくい体を目指す人に提案したいのは、「ごはん(米)をしっかり食べておかずを控える」食事法。ごはんと具だくさんのみそ汁を中心に、3食トータルでのバランスを考えながら食事を摂るようにしてみましょう。

アミノ酸スコア…
体内でつくることのできない必須アミノ酸が、バランスよく含まれているかどうかを示す指標。

ごはん6 対 おかず4の食べ方 実践編

1日の食事を「6対4」にするには、次のような食べ方を心がけましょう。

Q3 糖質は控えたほうがいいのでは?

A3 持病などがなければ、無理に減らさなくてOK。

健康な人の糖質制限で心配なのは、脳のエネルギー不足です。脳の主なエネルギー源は、炭水化物(糖質)を分解してつくられるブドウ糖。ブドウ糖が不足すると、脳機能が低下してイライラや感情の落ち込み、集中力の低下などをもたらしてしまいます。
また、糖質が入ってこないと体は筋肉を分解してブドウ糖をつくろうとし、筋肉量が減ってしまいます。女性は40歳ぐらいから基礎代謝量の低下が顕著に。筋トレなどの対策なしに糖質を控えるとさらに筋肉が落ちて、エネルギーが燃えにくい体になります。
糖質制限は便秘の原因にもなります。穀類を食べなくなると食物繊維も不足しがちになり、便秘など腸の機能低下につながります。健康に問題のない人は糖質制限よりも、食事全体のバランス(Q2参照)を意識しましょう。ただし、糖尿病などの診断を受けている人に関しては、かかりつけの医師の指示に従ってください。

Q4 太りにくい 食べ方ってあるの?

A4 「カロリーオフ」より「ストレスオフ」を。

ダイエットはカロリーも大事ですが、「ストレスオフ」な食事も心がけたいものです。糖質オフ、カロリーオフ、1日1食など、何かを制限する食事はストレスのもと。ストレスは脳機能の低下をはじめ、自律神経やホルモンのバランスを乱したり、免疫力を低下させたりし、様々な不調の原因となります。
「太りそう」「体に悪そう」というネガティブな気持ちで食べると、ストレスが高じて健康上はマイナスに。「おいしそう」「幸せだなぁ」と笑顔で食べれば内臓の働きも活性化。「β‐エンドルフィン」という快感ホルモンが分泌され、ストレスホルモンを減退させます。
一人の食事が多い人は五感を働かせて。テレビやスマホはオフにして意識を食べ物に向け、見た目や匂い、食感を味わいながら食べるようにしましょう。自然とゆっくり時間をかけるようになり、気持ちもお腹も満たされていくのが感じられます。
体は食べた物でできています。1回1回の食事を丁寧にすることで、自分を大切にしてあげましょう。

column:疲労回復、夏バテ予防には「ビタミンB群」

ビタミンは食べた物をエネルギーに変えるために必要不可欠な栄養素です。特にビタミンB群は、糖質や脂質の代謝にかかわるため、疲労回復や夏バテ予防に働きます。ビタミンB群は豚肉、レバー、ウナギなどに豊富に含まれますが、これらは胃腸機能が低下している時に食べると胃がもたれてしまいがち。ごはんの中でも玄米や雑穀にはビタミンB群が多く含まれています。普段食べる白米に、消化のよい発芽玄米や雑穀を混ぜて食べてみてはいかがでしょう。